いつもとなんら変わりのない早送りの日々。 人生の記録テープはあと残りどれくらい? いや、今はバイト換算ですよ、デジタルの時代なんだから。 早送り? それも今はチャプター飛ばしですよ。
全てがスピーディに流れ、効率的にデジタル化されていく。
こうして積み上げられた白い巨塔も、やがてはデジタルの波に飲み込まれ、泡のように消えていくのか。
ありとあらゆる情報をインターネットから得るようになったため、書籍を購入することが激減した。 とくに雑誌類はその傾向が強い。
でも今年から煙草を止めたことをきっかけに、その浮いた金でなにかしようかと思った結果、F1雑誌を購読することにした。 やはりこの手のマニアックな情報に関しては、専門雑誌の利用価値もまだまだ残されている。
ビデオテープを積み上げるようなやつは、雑誌だって積み上げるに決まっている。 実際にその昔、パソコン関係の雑誌や、ゲーム雑誌などを押し入れに蓄えていた実績もある。 今でもその一部は残っている。
もちろんこのF1雑誌も、今季は全号買い揃えるつもりで気合を入れている。
そんな雑誌を朝っぱらからつらつらと読んでいたら、トイレに行きたくなった。 まあ普通にそのままトイレへと向かい、便座を持ち上げようと少し前かがみの姿勢になったとき、目の前を何かが通過して下へ落ちた。 それと同時に「チャポン…」と音が。
なんということか…。 頭の上に乗せていた眼鏡が重力に負けてしまったのだ。 この狭い個室空間の虚しさ…。 ネカフェの狭いパーティションで臭い屁をこいてしまったときも、きっとこんな感じなんだろう。
琢磨万歳。